アニメーション作品の制作には、企画やシナリオの作成、仕上げ作業、撮影など多くの工程が存在します。その中でアニメーターは、背景や登場するキャラクターの動きを作画する作業を担当しています。アニメーターという職業の中でも、経験や技術によって様々なポジションが存在します。初めのうちは動画を担当することが多く、動画を描く高い技術を持ち合わせるようになると原画を担当するようになります。さらに原画担当としての技術を認められるようになると、作画監督として動画マンや原画マンが作成した絵のチェックなど、作品作りを取りまとめる上で重要なポジションを担うことになります。近年では3DCGによるアニメーション制作も増えていますが、手描きならではの質感や味はコンピュータでは生み出すことのできない魅力でもあり、手描きの高度な作画技術を持ったアニメーターの育成が求められています。
アニメーターに求められる技術や特性
アニメーターという職業に求められるものは、まず画力です。そして画力と合わせて現場で重要となるのは、仕事の発注者の意図を汲み取り、発注者の求める絵を形にするための柔軟性や理解力です。アニメーターになるための条件として必要な資格や学歴といったものはありませんが、近年ではタブレットなどを使ったデジタル作画が増加傾向にあることから、CGクリエイター検定の資格は仕事現場において役に立つ資格の一つと言えるでしょう。また色に関する多角的な知識習得に結びつく色彩検定も、画力が求められるアニメーターを目指す上で有効な資格です。アニメーターを目指す方の多くは、こうした技術や知識を学ぶために、大学や短期大学・専門学校でアニメーションやデザイン関連の専門コースを選択するのが一般的です。
アニメーターになるための学校選びのポイント
アニメーターを目指す人の選択肢として、まず大学や短期大学の芸術学科やアニメーション学科などが挙げられます。芸術学科ではデザインや美術関連の勉強がメインとなります。より専門性の高いアニメーション学科では、アニメーションの基礎、キャラクターの年齢をはじめ性格や感情を表現するための技術、音響や画像工学、メディア学など専門性の高い分野についても学ぶことのできるカリキュラムを用意しているところもあります。一方、専門学校は就業年数が2~3年で、アニメーションにより特化したコースや学科が多い傾向にあります。デッサンをはじめ、作画や仕上げ、演出からシナリオ制作、3DCGなどアニメーション制作に関わる技術を幅広く学べたり、オリジナルアニメーションの制作など実践的な実習を重視したりするなど、学校によって様々な特色があります。自分がどのような勉強内容に重点を置きたいかによって、進学先を選択すると良いでしょう。